日本人が何気なく使っている「これ」「それ」「あれ」という表現。
この使い分け方を外国人に聞かれたら、答えられますか?
さらに、「これ」と「この」という表現は英語にするとどちらも ‘this’ になってしまいます。
これらの違いをどう説明したらいいのか、見ていきましょう。
まずは、日本語には大きく分けて3種類の指示詞があります。
「これ」「それ」「あれ」です。
この3つの言葉が指示詞にあたり、物を指し示します。
指示詞は、誰の近くにあるものを指しているのか、といった距離によって使い分けられます。
- (聞き手よりも)話し手の近くにあるものを指している場合: 「これ 、この」 – 英語の ‘this’ に相当。
- (話し手よりも)聞き手の近くにあるものを指している場合: 「それ、その 」 – 英語の ‘that’ に相当。
- 話し手からも聞き手からも遠くにあるものを指している場合: 「あれ、あの」 – 英語の ‘that one over there’ に相当。
次に、「これ」と「この」、「それ」と「その」、そして「あれ」と「あの」は、どっちを使ったらいいの?という質問に答えていきましょう。
「これ」「それ」「あれ」は指示代名詞です。つまり、主語になることができます。
文の構造:これ/それ/あれ + は
例文:
これは桃です。
Kore wa momo desu.
This is a peach.
それは何ですか?
Sore wa nan desu ka?
What is that?
あれは雑誌です。
Are wa zasshi desu.
That one over there is a magazine.
関連:「ここ、そこ、あそこ」と「こちら、そちら、あちら」の違い
「この」「その」「あの」は連体詞で、必ずあとに名詞が続きます。
(実は「この」「その」「あの」は、「これ+の」「それ+の」「あれ+の」の短縮系です。)
文の構造: この/その/あの + 名詞 は
例文:
この鉛筆は私のです。
Kono enpitsu wa watashi no desu.
This pencil is mine.
そのテレビはいくらですか?
Sono terebi wa ikura desu ka?
How much is that TV?
あの人は誰ですか?
Ano hito wa dare desu ka?
Who is that person?
ひとくちメモ:
下記ポイントを、付け加えて説明すると良いでしょう。
- 助詞の「は」は‘ha’ではなく‘wa’と発音する。
- 名詞の性別、単数形/複数形によって語彙が変化することは無い。(他の外国語では変化する場合が多々あります。)
まとめ:
これ この + 名詞 話し手に近い場合
それ それ + 名詞 聞き手に近い場合
あれ あの + 名詞 両者から遠い場合
いかがでしたか?
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