「リンゴは何色?」と聞かれたら何と答えますか?
実際には赤いリンゴ、青リンゴ、そして黄色のリンゴも存在します。
けれど、日本人であれば、たいてい「赤」と答えますよね。ところがフランスで同じ質問をすると、「リンゴは緑だ」という答えが返ってきます。リンゴといえば、青リンゴという風に考えられているのです。
フランスのスーパーに行くと、リンゴの種類は日本よりも豊富です。ただ、赤いリンゴよりも青リンゴの種類が多いという訳ではありません。しかし、リンゴ味の食べ物や飲み物のパッケージに描かれているリンゴ味は、ほとんどが青リンゴなのです。日本ではなかなかあり得ないですよね。
日本でリンゴは赤い果物の代表とされています。こどもがリンゴの絵を描く時は、たいてい赤いクレヨンで描きます。しかし、フランスにおいて赤い果物の代表は、リンゴではなくサクランボだそうです。
つまり、モノから連想される色は国や地域、育った場所によって異なるのです。
それでは、他にはどんなものがあるか見てみましょう!
(*掲載しているのは限られた地域の一部の例です。もし、こんなの見つけた!というのがあれば、ぜひ教えてください。後ほど記事に追加していきます!)
緑(青リンゴ):フランス
人による:アメリカ、イギリス、ドイツ、ロシア
赤:日本、中国、ロシア、ポーランド
日本の国旗の日の丸も、「これは太陽を示している」と説明しても、太陽は黄色とされている国の人たちにはなかなか理解できません。
黄色:太陽は赤とされている国
白:太陽は黄色とされている国
日本において太陽は「初日の出」「ご来光」「お天道様」「お日様」とポジティブなイメージが持たれていますよね。「日出ずる国」として国旗にも描かれていますし、太陽は大地の恵みという捉え方をされています。
しかし、アラブ圏の人々には、ネガティブなイメージが持たれています。砂漠の中で灼熱の太陽に苦しめられる地域で暮らす人々にとって、生活を脅かす太陽はるのは、死をも意味する忌まわしき存在なのです。こういった国々で希望の象徴とされるのは、月です。日が沈み、砂漠が涼しくなり、ようやく快適に外を歩けるようになる。空には月が輝いている。こんな状況をイメージしてみると、月こそが希望というもの納得できますよね。
その中でも、特に讃えられているのは三日月です。そういった理由で、三日月が国旗に描かれている国がいくつもあるんです。現在、11カ国(アルジェリア、アゼルバイジャン、コモロ、マレーシア、モルディブ、モーリタニア、パキスタン、チュニジア、トルコ、トゥルクめにスタン、ウズベキスタン)のイスラム教が国境、もしくは重要な宗教とされている国々の国旗に三日月が描かれています。
この他にも、国や地域によって連想される色が異なるモノはたくさんあります。日常生活で気づくのはなかなか難しいですが、その国の絵本を注意深く見てみると、新しい発見があるかもしれません。
あわせて読む: 言語によって異なる色の名前
いかがでしたか?
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参考: 鈴木孝夫「日本語と外国語」